自転車に乗って。

都内の仕事場をを引き払い、葉山へと引っ越して2週間が過ぎた。
家からは程よい距離で車やバスで行ったり、時には歩く。
山の上からは大変であろうと、選択肢から外していたが、どうやら自転車通勤が快適なのだと気がついた。
山を一気に駆け下りて、長者ヶ崎を横目に見やりながら134号線をひたすら走る。潮風を浴びて、汗もかいて仕事に向かう気持ちよさ。これは仕事もはかどるに違いない、なんて思いながらペダルを漕いでいく(実際はそこまではかどらないのだけれど)。

子供の頃から自転車に乗ってバックパックを背負って大学に通う、というのが夢だった。
そんなキャンパスライフに憧れていたのに、通った大学は急な坂を登りきった山の上にあった。
自転車を諦め、バイクで通学し、途中からは通学すらしなくなっていった。
2010年に北カルフォルニアのバークレーで暮らし始めた時に、そうだ、あの頃の夢を叶えようと、自転車に乗ってバークレー大学のキャンパスに行った。大学生でもないし、キャンパスに用事なんてないのだけれど、これなんだよなぁ、やりたかったことはと思った。

それからさらに10年経った今、自転車に乗って海沿いを走り、カメラを斜めがけして仕事場に通っている。
もはや大学生のように若くもないし、山を登る必要もある。それでもなんだか夢を叶えるために学生に戻ったみたいで、
今のところいい気分で1日が始まっている。

photo & text : Yoko Takahashi

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