GOOD SWELL JOURNAL /

SIG at HAYAMA

7月の終わりに、HAWAIIからSIG ZANEが来日した。約1週間の滞在で、東京、京都、高山と忙しく移動していたが、時間を作り、葉山のSUNSHINE+CLOUDにも立ち寄ってくれた。
横浜を出たという電話をもらい、逗子駅に迎えに行き、3本目に到着した電車に彼らは乗っていた。電車を下りて、あたりを物珍しそうにきょろきょろしていたSIGは、改札のこちらに僕を見つけると、いつもの笑顔で改札を抜けてきた。
「アロハー、ハヤト」 いつもは、ヒロで行う儀式のビッグハグを人通りの多い逗子駅前で行い、車の助手席に乗り込み走り出した。子供のようにはしゃぎながらフロントガラスにおでこをつけるようにして外を眺めている。
SIGが突然、「海はどっち?」と訊ねた。
「右手の方向だけど向かっているよ。今だとちょうどサンセットが見られるよ。」 その答えに彼はウィンクをして微笑んだ。
その日の逗子の海は、本当に綺麗だった。夕凪の海がオレンジ色に染まり、江ノ島の向こうに富士山のシルエットが少しだけ見えていた。こういう景色のとき、富士山は日本の象徴になり、神がかり的な存在感を示す。この風景を見てもらうことができただけで、僕は十分満足してしまった。生まれたときからHAWAIIの美しい海を見てきたSIGにも胸を張って誇れるほど、僕らが見ていたこの瞬間の逗子の海は眩しかった。車を止め、みんなでしばらく無言のまま陽が沈んでいくのを眺めた。
その後海岸線を走りながら、ちょっとした葉山案内をしながら店に向かった。SUNSHINE+CLOUDでは少し照れくさそうに自分がデザインした生地が形を変え並んでいるのを見ていた。その後、葉山RESTHOUSEでお茶を飲み、庭に出たりして、ゆっくりと流れる葉山時間を楽しんでもらった。
短い時間の中でSIGは、何かを確実に感じてくれたと思った。場所は違うが、HAWAIIにも共通する見えない流れを体全身で感じようとしていた事が分かった。彼がHAWAIIに戻ってしばらくしてメールが届いた。それには、日本で過ごした楽しい時間のことなどが書かれていた。最後に葉山でのいいバイブを今も持ち続けている。時折あのときの写真を見ては微笑んでいる。と書いてあった。
目に見えないものを共有できたということ、同じように感じられたことの喜びが、僕の中にそのとき溢れ出て来た。そして、やっぱり場所も時間も気持も全てが繋がっているという事を確信した。(ht)