GOOD SWELL JOURNAL /

LOW KEY PEOPLE #18

陶芸を志し、葉山で作家活動を行っている女性を3人知っている。一番古くから知っている人は、宮崎弥栄さんで、昔、自由が丘のキャトル・セゾンという雑貨店で仕事をしていた。湘南国際村近くにある間門窯に弟子入りして10年以上になる。ふたり目は、土谷マリさん。彼女は、磁器で作品を制作していて、彼女の妹、ユミさんとお母さんで始めた森戸神社の前にあるカフェ、mani maniで使用している食器は、全て彼女が制作したものだ。もうひとりは、濱田陽子さんで、秋谷の丘の上の仕事場兼住居で、陶芸教室も行いながら、毎日、作品を制作している。誰もが、自分の仕事に対して精力的で、個展なども毎年のように行っている。中でも、一番よく会うのは、濱田さんで、といっても、会うのは決まって朝。家が近所ということもあり、ゴミ捨てに行くと、同じ時間に彼女もゴミを出しにやってきて、挨拶を交わし、ときには近所のおばさんたちと共に立ち話もするといった具合だ。
陶芸についてはほとんど知らないので、彼女たちの作品をどうのこうのと言う資格もないのだが、みんな、どこか海の匂いを持っている。宮崎さんの作品は釉薬に青や白を使ったものが多いし、土谷さんは、スタンプで模様を配していくのだが、その素朴な図柄は、海辺の生活から生まれてきたものが多いようにも思う。また、濱田さんは、轆轤で整えられたフォルムに海の持つ滑らかさがある。まあ、そんな具合で、自分もそうだが、近所の知り合いはたいてい、そのうちの誰かの作品を家で使っていたり、飾っていたりする。生活の中に、その作品の制作の場面があると、どうしてもそんな空気感が漂ってしまうのだと思う。そして、そんな空気を共有できるのが、まあ、この辺りの生活の楽しいところで、義理でもなんでもなく、自然に欲しいと思ったものが、彼女たちの作った食器であったりする。生活感が似ていると、見つめようとするものもきっと同化するかのように、それが共通の言語となって表れてもくる。(h.n)