GOOD SWELL JOURNAL /

LOW KEY PEOPLE #15

某コーヒー・ストア・チェーンに勤めるH君は、東京駅、川崎店と葉山に引っ越してきたときから店長をやっていて、周囲の人たちからもH店長と呼ばれている。カフェ、コーヒー好きで、なんだかとても仕事とコーヒーを愛している。そんなこともあり、焙煎の勉強もしていて、葉山近辺に自家焙煎のカフェを出すことを目標にしている。彼の朝は早い。勤める店のオープン時間が早いので、それに合わせるためには、始発に乗ることになる。もっともシフトがあるので、毎日というわけではないが、海辺に暮らすことで、より早い時間に出るということになる。駅までは愛用のスーパーカブで行く。しかし、そのバイクもときどき災難に巻き込まれる。ヘルメットはもう4度も盗まれたといい、ついバイクの籠に置き忘れてしまったパソコンも盗まれてしまった。また、友人と飲みすぎて、終電車でつい居眠りしてしまい、降りるべき逗子駅を乗り過ごし、横須賀まで行ってしまい、仕方なくタクシーで帰ってくるということもたまにある。先日もそんなことがあったらしく、横須賀まで行くより、その手前の衣笠で降りた方が距離がぜんぜん短いんです。この前それが初めてわかったんですよと、長く三浦半島に住んでいるわりには地理を理解していないことを後悔していた。
もうひとり、自由が丘から、ときどき葉山にやってくるO君は、雑貨を扱う会社に勤めているが、代々木の古書店をときどき手伝っていて、仕入れなどの勉強をしている。やはり、古書店を浜辺の町で開いてみたいという希望がある。
葉山では葉山芸術祭というのが、5月のゴールデン・ウイークに開催される。地元のアーティストたちが自宅を開放したり、お店やギャラリーを借りたりして、自分たちの作品やワークショップなどを開く。WINDCHIME BOOKSのアトリエでも、ここ数年、BEACH BOOK STOREというのを開く。アトリエに集る仲間と共に、集めた古書を中心に、個々の作品の展示などを行っているのだが、どうもその形が曖昧なので、今年は止めようかと思っていたのだが、そうだ、H店長とO君の望むものを合体させ、この機会に実験的に行ってみたらどうだろうということを思いついた。共に店を開くにしてもカフェ、本、音楽は基本となるべきもので、それぞれの思い描く店というのは、どこか文化的な匂いに包まれていなければならない。まあ、空間的には手作り風になってしまうのだが、思い描くものを具体的にしてみるという試みはできるし、経験にもなる。
ということで、今年は、このふたりでBEACH BOOK STOREを葉山一色海岸近くに開くことになった。さっそく考えたのが、O君の集めた本、例えば、キリマンジェロ、ハワイ、ブラジルなど、地域に関するものだったら、その地域のコーヒー豆や飲み方で喫茶の対応をする。また、BEACH CAFE´ SET(コーヒーの入ったポット、敷物、本、お菓子など)を作って、お客さんに浜辺でコーヒーを飲みながら本を読むということを楽しんでもらうなど、いろいろアイデアが生まれる。4月の終わり頃から1週間ほどだが、一色海岸に訪れることがあったら是非覗いてみてください。たぶん、工夫満載のカフェ、古書店になっているはず。(h.n)