GOOD SWELL JOURNAL /

LOW KEY PEOPLE #14

鎌倉宮にある、雑貨ギャラリー&カフェ、アトリエ・キカのマリコさんから電話があり、10周年になるので、ゆかりのある人たちを集めた展示を行いたいので、何か出展して欲しいと言う。それを聞いて、もう10年目なのかと、ちょっと驚く。マリコさんは、若い頃、鎌倉の学生の間で、美少女として、密かな人気を集めていた人だ。銭洗い弁天の方に住む、友人一家のマリコさんより少し年下の息子が、みんなの憧れの人だったと、当時を語っていたので間違いはない。道を歩いていたり、横須賀線で出会うのが本当に嬉しかったようだ。僕が、マリコさんと会ったのは、たぶん、学校を卒業したくらいのときだったと思う。というのは、それから15年後くらいに再開したとき、こちらは覚えていなかったからだ。彼女が店を開き、そこで友人が作品を展示したので、観に行ったとき、マリコさんに、昔、一度会ったことがあるんですよと言われて気がつかされた。当時付き合っていた彼が仕事仲間で、こちらの個展を一緒に観に来てくれたのだ。
アトリエ・キカは最初、骨董や工芸品などを展示、販売していた。その後、隣の店も借りて、そこにカフェを作り、一時は、ギャラリー・スペースとカフェの2軒、壁を隣り合わせて営業していた。そこで、こちらの作品も展示させてもらったりすることで、近所の人たちや作家を紹介され、仲良くもなった。現在は、カフェの方だけになり、そこで作品などの展示や販売も行っている。目のくりっとした魅力的な人で、いつも真っ黒に日焼けしている。ときどき、葉山に来て、自分の気に入りの秘密の場所で、ひとりで泳いでいるのだそうだ。最近は、こちらが山奥に引っ込んでしまい、あまり鎌倉にも行かなくなってしまったが、平日の昼間など、マリコさんの淹れるコーヒーを飲みながら、ボーっと静かな時間を過ごすのは、なかなか楽しい時間だ。鎌倉宮の前なので、観光シーズン以外は、山や木々に囲まれた、ゆるやかな時間の流れている場所でもある。10年目を迎えたというが、まだ、あまり知られることのない、鎌倉的というか、鎌倉育ちの人が、その眼差しと共に培ってきたものを伝えてくれる、優しい場所。鎌倉周辺に住む、雑貨や工芸作家の知り合いは、みんな、そのマリコさんの店にお世話になってきた。10周年、おめでとうございます。(h、n)
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