GOOD SWELL JOURNAL /

LOW KEY PEOPLE #10

ノブちゃんはいつも世界中のどこかの不思議で変わったところにいる。ときどき、チベットやボリビアやエジプトなどのネット・カフェからメールが送られてくる。ローマ字で書かれた話は読むのが面倒だが、その居場所が面白いから、今度はどこからだと、地名などを最初にチェックする。それに、ときどきは、ここのネット・カフェは日本語が使えたと、いきいきとした内容のメールが着たりもする。
彼女も、もう良い年になったと思う。何しろもう10年以上前からの近所の顔見知りだ。それでも、お金が溜まれば、ひとりで自由に好きなところに行ってしまう。写真を撮って、それで小さな展覧会を一度開いたことがあったが、それで何かをしたかったわけでもなく、やはり、ただ、自分の関心のある場所に飛んでいくことが楽しいようだ。
以前、怪我が化膿して、どうしようもなく戻ってきたことがあった。そのときは、しばらくリハビリする必要があったので、海辺などで出会うことがあったが、それが終われば、やはり再び、辺境の地からメールが着た。決まって最後にLOVE NOBUと書いている。CCで、複数の人に一気に出しているのだが、そんな挨拶が、彼女が元気でいる証拠で、彼女を知るみんなも、そのLOVE NOBUの文字を見て安心する。で、最近はどうしているのだろう。決まった場所で仕事をしているのだろうか。落ち着いたと思ってもまた旅に出るから、彼女は地元にいても海外にいても、その存在をあまり気にすることがない。
学生時代の友人にもそんな人がいて、彼は、ずっとネパールやチベットに住んでいたが、最近は、キリマンジェロやギアナ高地といったところにもいる。いつの間にか、辺境専門のガイドで生計を立てていて、先日、久々に電話があって、会おうということになったら、来週からまたヒマラヤ・トレッキングの旅に出るから、来月のいついつと、随分先の日程を言った。ふたりとも、きっと旅することが人生で、それを止めることはないのだろう。ふたりからのメールを開く度に、一度、足手纏いにならないくらいの、その最初の行き先くらいまで付いていって、彼らの旅の気分だけでも味わってみたいと思う。(h.n)