GOOD SWELL JOURNAL /

月に一度、葉山でワークショップを始めて5年になる。ワークショップでは、文章を書くことから始め、その後、絵を描いたり、グループ展や個展を開いたり、本を制作したりと、参加者は、自分なりの表現方法を試行錯誤しながら見つけ出すということを行っている。
集まってくる人たちは、何かしら自分なりの表現を身に付けたいという人たちだ。ただ、そのきっかけをなかなかつかめないという人が多いので、まず文章を書いて、自分なりに考えていること、見つめていることなどを整理してもらう。また、書いた文章をもとに、詩のリーディングや歌など、その表現の可能性を覚えていくという試みも行っている。その成果として、『ベジタブル・スープ』、『フノリ』といった同人誌が生まれ、根本きこさんが逗子で開いている店、coyaで、2ヶ月に一度、「la voix du vent」(風の声)という詩のリーディングを中心としたイヴェントを行っていて、今年で3年目に入った。(不定期だが三軒茶屋のカフェ、Rain on the roofでも「Poetry on the roof」というイヴェントも行っている)
こうしたことを続けていくことで、いまの時代に必要だと思われる表現の形態、内容などを模索しているつもりだ。そして、自分たちなりのスタイルというものも確実に整ってきている。詩のリーディングなどというと、どうも面倒で、退屈だと考えている人も多いと思うが、そうしたイメージを変えようと、わかり易い言葉で、きちっと個人のイメージや考えを伝え、感動も呼ぶものも生み出そうとしている。まだまだ発展途上なのだが、地道に続けていくことで、その効果や可能性も広がっていくと思う。最近は、参加メンバーによってMarguerite Pressという活動も始まった。手作りながら、様々な本の形態を考え、定期的に発行し、ブログなども日々更新して、その内容を幅広く知ってもらおうという試みだ。それというのも、地味にコツコツと続けてきたことによって、少しずつ、その効用というものが表れだしたからでもある。ひとつの地域でしかできないこと。それは、葉山、湘南という場所でまたひとつ生み出せたことでもある。人との係わりや自然、生活、そんなものを表現の素材として捉えていくことが、ここでは容易だからだ。もちろん、どんな場所でも可能なのだが、風や光といったものを味方につけ易い。それだけに描く風景が風通し好く、柔らかなコミュニケーションの手段として、それぞれが見い出した言葉というものが自由に入り込んでもいけるのだと思う。(h.n)