GOOD SWELL JOURNAL /

今年の夏、『ボタンとリボン』という、これまで出会った作品やワークショップの人たちの書いた、詩、散文を集めた本をようやく出すことができた。ここ数年、ずっと考えてきたもので、タイトルは、「BUTTONS AND BOWS」という、発音するとバッテンボーと聴こえる、昔のヒット曲から思いついた。もう一冊、秋に、『プックリ・チッカリ・ピッポドゥ』という詩集が出る。こちらは、これまで書いてきた詩を、スタイリストの岡尾美代子さんが纏めてくれた本で、詩集や散文集、それに、ここ数年書いてきたものを、彼女が丹念に読んでくれて、セレクトしてくれたものだ。
逗子、葉山、秋谷と、海辺に住み始めて、もう20年近く経つが、ずっと、そこで行ってきた作業は、誰でもものが作れるということで、芸術というものが、暮らしや人生と密接に存在しているということを伝えることだ。絵や詩など、自分の作品制作から始まり、SUNLIGHT GALLERYというギャラリーを開き、その繋がりから、SUNSHINE+CLOUDも生まれていった。また、少し前には、『12 water stories magazine』という、詩や散文の投稿雑誌を作り、その後、windchime booksというインディペンデント・レーベルを始め、詩集などを制作し、出版してきた。そして、ワークショップという形で、もの作り、文章を書くということの意味を伝える環境を作り、音楽、詩の朗読など、様々なことを、そこに参加してくれた人たちと実験を行いながら、ここまできた。
『ボタンとリボン』という本(雑誌にしていきたいのだが)は、そうした作業の中で見つけてきたものが、広く世の中に伝えていく必要があると感じたから制作した。自分でそうしたものを作っていかない限りは、他に作品を発表する媒体がまったく見つからないこともある。自分の詩集は、想定している読者層にファンの多い、岡尾さんに力を貸してもらうことで、より多くの人に、詩や文章の在り方というものを知ってもらえたらと思った。
今年、この2冊によって、少しは、詩や文章の世界が変わってくれれば好いと思う。すでに亡霊のように存在している現代詩の、ひと筋縄ではいかないような難しい世界と思われている印象を、この2冊を入り口として読んでもらうことで、もっと身近で親しみのあるものだと感じて欲しいのだ。そして、そこから、それぞれの、生き方なり、哲学のようなものを見つめ直して欲しい、もしくは見つけるきっかけができればいいと思う。
とにかく、わかり易く、愉快な本を作ったつもりなので、是非、アマゾンなどで見つけて、手にとって、そして眺めて続けて欲しい。(h.n)