GOOD SWELL JOURNAL /

12月に入ったらクリスマス・ソング。そのクリスマス・ソングを集めた名曲、名盤はたくさんある。クリスマスがテーマだから、音楽も心優しく、生み出す気持も優しいということになる。で、今年はなんていってもボブ・ディランのスタジオ録音、34枚目となる『クリスマス・イン・ザ・ハート』。ディランがクリスマス・ソング集を出すということにも驚きだったが、そのサウンド、歌声も、ディラン叔父さんが心地好く語り出したような内容。自作曲はなく、聴き慣れたクリスマス曲が多い。最初からリンリンリンと鈴の音から始まる。まったくなんだろうなこの叔父さんといった印象。それでも、歌い込むところは歌い込んでいて、そのボーカルの渋さ、瑞々しさについつい引き込まれてしまう。子供だましの作品ではないから、落ち着いた大人のクリスマスを十分に味わうことができる。まあ、快作で、ディラン本人もご満悦といった感じ。このところ活動が活発化している御大の、その素晴らしい側面を見せてくれた気もする。ディランはユダヤ教徒ではなかったかという憶測もあるのだが、この人キリスト教徒になったこともあるらしいので、宗教などあまり関係のないところに立脚しているのかもしれない。このアルバムの収益は永久に慈善団体に寄付されるということにもなっているから、正真正銘のクリスマス精神を受け継ぐものだ。スペシャル盤を買えばクリスマスカードが封筒と共に5セットも入っているのも嬉しい。絵が全てジャケットと同じというところがちょっと芸がないんじゃないと思ったりもするが、とにかく、夜、しみじみ酒など傾けながら耳も傾けるなんていうのにはぴったり。ディランの歌声に酔いしれる。ファンならずとも必携盤。(h.n)