GOOD SWELL JOURNAL /

先日、PARADISE STOREのオープンのために奄美大島に行っていきた。店の準備など、門外漢のこちらはあまり手伝うこともなく、地元で、AIRYという SUNSHINE+CLOUDの服を扱っている店の山田君に、軽自動車を借り、ひとり海岸沿いの道を走らせ、島を巡っていた。持って言ったi-podに発売されたばかりのWILCOの新譜、『Wilco(the album)』を入れてきたので、それをトランスミッターでFMに飛ばし、大音量で聴きながらのドライブだ。リーダーのジェフ・トゥイーディは、イリノイで、ジェイ・ファーラーと共に、その昔、アンクル・テュピロというグループで活躍していた。解散後、ジェフはWILCOを、そしてジェイはサン・ヴォルトを作る。とにかく、彼らの音楽は、カントリー、ロックなど、田舎臭さと都会的センス、両方を武器に曲も演奏も縦横無尽で、彼らのスタイルは、昔からアメリカのロック、フォークをずっと聴いてきた耳には嬉しい限りのツボを押さえている。と、とにかく、最近のこのあたりの音楽シーン(シカゴ、それに中西部など)は目が離せない。サン・ヴォルトと違い、WILCOは、シカゴ音響派と呼ばれる、ジム・オルークをプロデューサーに迎えたことで、ブレイクする。その音の扱いがよりオリジナリティの高いものに変化してきたのだ。ということで、前作の『SKY BLUE SKY』も悪くないし、新作も申し分ない。それを、奄美の熱い光りの下で聴く。シミジミした歌声、明るく紡ぐギター、前に走る車のいない海岸線は、紺碧の海が広がり、丘を行けば、一面の南方の強い緑に包まれる。イリノイ辺りの穀倉地帯と奄美の自然。とくに繋がりはなくても、その音楽は、耳から入って脳を刺激し、目の前に広がる景色を様々に語り、広げてくれる。今年の奄美の思い出は、WILCOと共にある。ひとり愉快に、島の時間の中に入り込ませてくれたからだ。(h.n)