GOOD SWELL JOURNAL /

最近のバンジョー熱は高まるばかりで、大好きになってしまったジョン・ハートフォード以外にも、これはというバンジョー弾きのアルバムを聴いている。とはいっても、ブルーグラスのようなパターン化した音楽から逸脱した人のアルバムを聴いている。どうも、その世界にはついていけないものがあり、どうしても、ジョン・ハートフォードのような、少しは現代的な工夫を加えてきた人たちが好きだ。ここでお勧めしたいのは、その昔、ヴァーン&レイというブルーグラス・デュオのバックでバンジョーを弾いていたハーブ・ペダーセンという人が1976年に作ったアルバム『サウスウエスト』。ソロとしてのアルバムはこれしか知らないので、シンガー・ソングライターとしての成功はなかったが、カントリー・ロックに移行した時代、ジャクソン・ブラウンを始め、名うてのミュージシャンたちのサポートをしてきた人で、もうすぐ、元バーズのクリス・ヒルマンの日本でのライブがあり一緒にやってくるので楽しみにしている。
このアルバムの1曲目が、ビートルズの「ペーパーバック・ライター」で、そのアレンジはとにかく秀逸で、カントリー・ロックの素晴らしさというのを心地好く教えてくれる。ウエストコースト・サウンドと呼ばれた時代の音が満載で、そのコーラスの美しさと共に、アルバム全体に清々しさが漂っている。オリジナルなど、その曲調はジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラーっぽいものが多いのだが、それだけ、聴きやすく、どこか憂いに満ち、それでいて乾いてもいる快調なサウンドだから、この時期にもよく合う。肝心のバンジョーが響いていてくる曲は1曲だけで、ちょっと淋しいのだが、とにかく、メジャーなミュージシャンの裏方として活躍しながら、1枚、2枚と、地味ながら素晴らしいアルバムを残してきた人たちの音の豊かさを感じて欲しい。(h.n)