GOOD SWELL JOURNAL /

ウィ・アー・マギー・アンド・テリー・アンド・スージーという唄いだしで始まるアルバム、ローチェスの『THE ROCHES』を聴いたのは1979年のことだ。ビートルズの『アビーロード』を抜いて全英NO.1ヒットを記録した、69年の『キング・クリムゾンの宮殿』で衝撃的なデビューを果たした、プログレッシヴ・ロックの代表的な存在として知られるキング・クリムゾンのロバート・フリップがプロデュースしているというので、迷わずに買った覚えがある。当時、ロバート・フリップのギターやその先鋭的な音楽性に憧れがあったから、いったいどんなプログレッシヴな内容かと思ったら、思いっきりフォーキーな歌声が聴こえてきたので、意表を突かれたのを覚えている。しかし、そこには3姉妹の溌溂としたハーモニーがあり、ニュージャージー出身だが、NYの都会的な匂いも感じさせた。さすが、ロバート・フリップと、感心しながら、その美しい歌声に想いを馳せた。ローチェスはその後、何枚かアルバムを出していたが、あまりメジャーになることもなく活動を続けていたのだが、数年前、ルーファス・ウエインライト、マーサ・ウエインライトのデビューによって、その名前を再び思い出させてくれた。ふたりともラウドン・ウエインライトという昔から活躍しているシンガー・ソングライターの子供で、カナダのケイト&アンナ・マクギャリルという姉妹のフォーク・デュオのどちらかが奥さん。しかし、その後、ローチェスのスージーとの間にルーシーという娘を作っている。ちょっとややこしいのだが、どうも、お父さんのラウドンは女性姉妹コーラス・グループ好きらしい。ということで、異母兄弟ながら、ルーファスのステージでルーシーが一緒に歌っていたりするのだから、仲は良さそうだ。で、そのローチェスが久しぶりに『MOONSWEPT』というアルバムを出した。それが、本当にデビュー・アルバムを彷彿とさせるような清々しい内容で、蒸し暑い日々でも、どこか気持をうきうきさせてくれる。娘のルーシーの作った曲も入っていて、その歌声も聴くことができる。ルーファス、マーサ、ルーシー、3人とも、アルバムを出しているので、こちらも要チェック。特にルーファスのカレイドスコープのようなファタジックな音楽もお勧め。(h.n)