GOOD SWELL JOURNAL /

春らしい音楽というのは、やはり温かみがあり、優しく、そして少し切なくなるようなものだろか。スカッと元気になるようなものもいいが、ただ心愉快になるものだけよりは、やはり春の透明な光の中にどんどん浮かんでは消えていく瑞々しいものがいい。
ROSIE THOMAS 『IF SONGS COULD BE HELD』。これがそんな音楽。女性シンガー・ソングライターで、この最新アルバムを含めて4枚出している。ピアノのシンプルな演奏をバックに、愛のことをまだ学んでいるの。毎日あなたの腕の中で。たぶんそんなことを思うことが私の希望、と歌う。続くのはエヴァリー・ブラザースのヒット曲で多くの人に歌われている名曲「レット・イット・ビー・ミー」。しかし、他の曲も、それに負けず美しく切ない曲が多い。何が望みなのか言って、アルバムの写真では、私たち微笑みあっているじゃないと、「SAY WHAT YOU WANT」ではこんな感じだ。しかし、悲しさはない。聴いていて、力強くもあり、確固たる自信も伺える。それだけ歌に説得力もある。それに不思議なことに、全体としては淡々とした印象があり、何度聴いても飽きない。朝、心地好く聴くにはまず問題ないアルバムとも言えてしまう。それだけに、寒い冬からようやく抜けて春を待つ、そんな音楽として勧めてみたくもなる。レーベルはアメリカ、シアトルのSUB POPで、若手のシンガー・ソングライターの好盤をたくさん出しているので、ここも要チェックです。(n.h)