GOOD SWELL JOURNAL /

鎌倉宮のすぐ右となりで8年くらい前から、アトリエ・キカ+グラスという小さなギャラリーとカフェを開いているマリコさんと出会ったのは20年も前のことらしい。らしいというのは、こちらにそのときの記憶がなかったからだが、青山での個展に偶然だが見に来てくれていた。だから、彼女が店を開いたとき、最初に交わした言葉が、「一度会ったことがあるんですよ」だった。
ここでも何度か小さな展覧会を開かせてもらったことがある。本来は、彼女の選んだガラスや陶器などの作品が多く、その作家の多くも鎌倉の近所に住んでいる人たちだ。つい最近まで、4年ほど前に始めたカフェ・グラスとアトリエ・キカと隣り合わせの店を2軒、行ったり来たりの毎日だったが、それをカフェ・グラスの方の店、1軒に纏め、最初に始めたときのように、ひとりで店番をするようになった。
夏になると、彼女は真っ黒になる。休みの日に葉山の気に入りの浜辺で気ままに過ごすというのが何年も続けている密かな楽しみで、今年もそろそろ日焼けした顔で店にいるはずだ。男女を問わず、彼女のフレンドリーな人柄や黒い大きな瞳や笑顔に魅せられて通う人も多いが、ここで育っていった若い作家もまた多い。観光客の多い鎌倉の中でも鎌倉宮と少し駅から遠いところにあることもあるが、マリコさんの店はいつも静かで、どこか小さな村の中にある優しい目線の店という印象がある。 h.n