GOOD SWELL JOURNAL /

鎌倉のカフェ・ヴィヴモン・デイモンシュの堀内君と知り合ったのは、彼がまだ学生のときで、ディスプレイの仕事をしていた現場にアルバイトとしてやってきた。それ以来、何度か仕事を手伝ってもらうようになり話をするようにもなった。
彼は卒業後衣料品などの会社に就職したが、その後独立することになり、最初、葉山でカフェをやりたいと相談に来た。葉山は人が少ないこともあり、たぶん流行ることはないだろうとそのとき鎌倉を勧めた。まだカフェがブームになる前で、喫茶店という感覚で、新しく店を作ったとしてもまだあまり注目されない時代だった。
店を始めて2年後くらいからようやくブームがやってきて、今では、もっとも注目されるカフェとして知られるようになった。S+Cも10年目を迎えるが、堀内君のところはすでに10年を過ぎた。たぶん、S+Cもディモンシュも独自なことをやってきたと思う。特別凄いことではなく、そのあり方がちょっと特殊だった。それは人との繋がりを湘南という風土の中で大切にしてきたことで、逆に言うと、湘南だからこそあり得た繋がり方だ。知り合いが知り合いを呼び、いつの間にかそうした人たちが集る場所になり、気分を同じくしていくうちに知らない同士でも友情のようなものが芽生える。そんな環境だ。
場所の大切さというのをきっとみんな知っていたのだと思う。また、そうした場所を作ることが店を始めるきっかけでもあった。
いま、堀内君は店だけでなくブラジル音楽などの好き理解者としても知られ忙しくしているが、店に憧れ、たくさんのフォロアーも生れたことで、これからもこうした場所を守り続けていく義務がある。それだけに新しい店、DOISを出すなど、次の時代への模索を始めた。今後の可能性はどういうところにあるのかわからないが、彼ならきっと見つけ出すことができると思う。