GOOD SWELL JOURNAL /

NRBQ『TRANSMISSIONS』

怒涛の約2週間が終わってしまった。7月の末から8月7日まで、愛して止まないNRBQの日本ツアーが実現した。大手のプロモーターなどではなく、ファンの代表が身銭を切って実現させたツアーだった。ニュー・リズム・アンド・ブルース・カルテット、その頭文字がグループ名のこのバンドは、もう35年も続けている息の長いグループで、クラビネットなどキーボードを操る、リーダーのテリー・アダムス以下、4人のメンバーはライブでなければ発揮できない実力と奥の深さ、楽しさを備えている。歴代のギタリストは凄腕のロックンローラーとして知られているし、アメリカでも多くのミュージシャンに敬愛されているのもかかわらず、あえてメジャーにならない永久B級バンドという評価を誇りにしているようなバンドだ(ベーシストのジョーイ・スパンピナートはチャック・ベリーのスペシャル・バンドにキース・リチャードに指名され参加し、一時ストーンズに加入かという噂も流れた)。それだけにひとくちに彼らの音楽を語るのは難しい。アルバムを聴いても特にヒット曲もないので、これ1枚聴けばいいというものでもない。やはり彼らのライブを見るしかないのだ。ファンの一員として、関西でも東京でも、会う人毎にライブに是非行くようにと薦めたが、足を運んだ全員が、すっかりNRBQの虜になってしまい、次回も絶対に行かなければというファンというか信者にさせてしまった。
このアルバムは来日記念盤。フジ・ロックフェスに出ることになり急遽発売されたもので、NRBQの代表曲と、未発表曲の入った2枚組。今回ライブで初めて聴いた、テリーの歌う「BEAUTIFLE LOVER」も収録されている。可愛い曲で、手に入れてから今日まで毎日欠かさず聴いている1曲だ。他に『ヤンキースタジアム』というアルバムも日本盤が発売されたのでこれもお薦め。しかし、ちょっと早いが、彼らのクリスマス・アルバム、『クリスマス・ウイッシュ』を手に入れておくのもいい。こんな美しくもハッピーなクリスマスの曲があったのかと絶対にびっくりするはずで、何度も何度も聴きたくなる。彼らにヒット曲など必要ないのは、どの曲も粒ぞろいということで、キュートと言うのが一番適しているのかもしれない。ジャズ、ロック、カントリーとアメリカの音楽を全て体に吸収し、それを偉そうでもなく、なーんか軽く、楽しく、自由自在、自分たちなりのオリジナルな表現に変えている。で、それが全てキュートなのですよ。こんな言い方しか出来ないのだが、とにかく僕は彼らの音楽のセンス、在り方にいつも感動させられている。また、メジャーにならないことで、小さなライブハウスで、目の前での演奏を楽しめるということが可能で、演奏が終わればテリーやジョーイとも旧知の間柄のように握手を交わしたりできる。ファンとしては彼らをもっともっと知って欲しいが、やはりこのままでいいと、まあ複雑な心境。来年、また会いたい音楽の友人たちだ。(h.n)