GOOD SWELL JOURNAL /

奄美とハワイ

7月、8月と3回奄美に行ってきた。来年奄美で楽しい計画があり、それに参加するための打ち合わせだった。この計画はもともと7年前の山田夫妻(AIRY)との出会いがきっかけだった。当時山田夫妻は東京に住んでいたが、結婚を機に旦那さんの故郷である奄美で、うちの商品を取り扱うショップをしたいと要望を受け、奄美に対して全く何も知らないので、まずは現地視察と興味半分でその土地を訪れた。それ以来奄美に魅了され毎年のように公私共々足を運ぶようになり、山田さん夫妻以外の土地の人たちとも少しずつ縁ができてきた。僕にとっては葉山もハワイもLAも奄美も、気持のいい風、日差し、そして暖かい人がいるということで共通している。そしてその場所で生活したり、訪れたりすることで新たな出会いや縁が生まれ、その縁が自然な形で繋がって行く。ハワイ島のシグ・ゼン、dosaのクリスティーナとの繋がりも同様で、訪れる回数や年数を重ねることによって見えてくる景色が変わり、その場での感覚も成長してくる。来年のプロジェクトはそのひとつのプロセスであり、そして結果でもある。
作家の島尾敏雄はヤポネシア(Japonesia)という言葉を考案した。島尾さんは第2次大戦中に奄美大島に駐屯し、それが縁で奄美出身のミホさんと結婚し移住した。ヤポネシアとは日本を指すラテン語「Japonia」と群島を指すラテン語の語尾「nesia」の造語だそうだ。日本文化の基層には「琉球弧」と呼ばれる南西諸島経由の文化要素が多く、日本人、日本文化の源流を遡るとこの島々が重要な役割を果たしているという。これは付け焼刃の知識であり、僕はまだ島尾さんの本を読んだことはないが、「Japonesia」という言葉が奄美に行くと感覚的に少しだけ理解できる。太平洋に浮かぶこの琉球弧に属する島々は、国や民族ということを超えて同じように太平洋に浮かぶポリネシアの島々とも繋がっている。一昨年、ナラニ・カナカオレ、シグ・ゼンが奄美に来た時にそれを感じた。ホクレア号もハワイ島を出発しミクロネシアを航海して沖縄にやってきた。これらの共通項は偶然でもあり、必然でもあると思う。
言語や文化を超越し、ゆるやかなネットワークを保ちながらお互いに反響し時間をかけて作り上げる場所やモノ、コトは美しい。そしてその場所やモノ、コトの周りには常に気持ちのいい風が吹き、美しい景色を作り、オーラを発して人が集まり、新たなエネルギーを生んで行く。そのことを来年は確認できると思います。ちょっともったいぶっていますが楽しみにしてください。(ht)