GOOD SWELL JOURNAL /

いい土を作るという事

先日、福岡に行ったとき長崎で農業を営んでいる青年と話す機会があった。彼は葉山のお店にも何度となく遊びに来ていたり、昨年は奄美でのイベントにも参加していたので以前にも数度話をしたことはあった。彼は無農薬で美味しいお米を作ろうとしているのたが、それについて話をするのは初めてだった。何がきっかけで農業の話をはじめたのかは忘れたが、彼の話はとても興味深かった。彼は5年前から父親の畑を借り、無農薬での米作りに日々試行錯誤している。今話題になっている鴨を田んぼに飼う方法も試したが上手く行かなかったそうだ。その彼が今、進めている方法は「いい土を作る」こと。
いい土を作れば強い稲がすくすくと育ち、稲には虫がつかない。そして、必要以上に肥料をあたえなくても美味しいお米が育つというとても単純な考え方だった。
ついた虫を除くことや、いかに虫がつかない様にする事を考えるのではなく、いい土で強い稲を育て、自然の仕組みが完全な形で循環、機能している田んぼを作ることが一番大事だと思うと話してくれた。
彼の話は農業だけでなく、子供の教育、仕事、その他すべての事に当てはまる真理のような気がした。僕たちは虫の駆除や殺虫、美味しくするための肥料等、本来ならば余分であるものに目を向けてしまう。本当に大切なことは元となる土を良くし、強い稲を育てること。多少の虫が付いても、その稲がすくすくと育ち美味しいお米になると信じる。彼は単純に説明してくれたが、そこには人には言えない苦労、努力、気の遠くなる作業があるはずだった。
別れ際に彼はふと話してくれた。「使命を感じるのです。僕の周りにいる少しでも多くの人にいい土から出来たお米を美味しく食べてもう。それに使命を感じるし、それが僕の夢でもあるのです。」
よく日に焼けた奥にある眼差しに強い意志を感じた。(ht)